戦争末期、加代は戦火で全てを無くし息子と二人だけになり、今の夫と再婚して暮らしている。優秀な息子真一は、母のことを想い勉学に励んでいる。連日夫の横行に泣かされている加代。ある日、母の忌まわしい過去を知らされる真一へ召集令状が届く。心配する父の優しさに初めて気づく真一。夜の風呂場で真一の身体をこっそり流してやる加代。黙認する父。その日の晩、禁断の筆は下ろされた。